今回の記事は、4/3放送の情熱大陸に出演した稲垣えみこさん(Wikiはありませんが、記事の途中でちょこちょこプロフィールは出てきます)
さすが情熱大陸、目の付け所がスゴイというか、今回もかなりビックリしました。ちょっと阪神の藤川球児選手に似てるかも?
ところで、これから紹介する稲垣さんの生活は、その特徴的過ぎるアフロをも上回るぐらいスゴイものでした。
では、稲垣さんと「電気さん」の生活に迫る、知り合いがまとめてくれた情熱大陸の内容をどうぞ。
月の電気代が200円?!節電生活を送るアフロヘアの51歳
稲垣えみ子さん。51歳。元朝日新聞の論説委員。
退職した今、「電気に頼らない生活はどこまで可能か」に挑戦しています。
電力自由化の今、彼女の理想は、電気もガスもなかった江戸時代の暮らし。
掃除機なし、エアコンなし、洗濯機もなければ、冷蔵庫さえ置かず、3月の電気代は、何と189円!
ガスも契約せず、カセットコンロで料理。
冷蔵庫がないため、野菜はベランダで天日干しして保存食に。味が凝縮して、栄養価も上がるのだとか。
ご飯は一度に炊いて、おひつに入れて4日ほど保存。
冬の寒さをしのぐ極意は「部屋を暖めるな 自分を温めろ!」
足の裏にカイロを貼り、湯たんぽを使い、それなりに厚着をする。
歩いて3分の銭湯は2日に一度。稲垣さんにとって至福の時間だそうです。
彼女が節電を考え始めたきっかけは、東日本大震災。
「原発事故がなかったらこんなことしてないし、節電することで人生まで変わっちゃったんですよね。
でも、あのことが自分の人生の行き詰まりの原因とかもすごい気づかせてくれたし。
自分で自分を変えていくことの大きなきっかけになったことは、もう間違いないので」
トレードマークはかなり盛り上がったアフロヘア。
行きつけの喫茶店の人がこう言っていました。
「近所に住んでる人に、聞かれるんですよ。
『毎週日曜日の朝にいるアフロのお姉さん何?』って(笑)」
情熱大陸に出演するのは、注目される仕事をしている時や、人に紹介できる肩書がある時。
それが、仕事を辞めてから取り上げられるとは、かなり異色。
そして、アフロヘアもかなりパンチがありますね。
これは天然ではなくてパーマをあてているそうだから、その方がよっぽど電気を使っているのでは?と素朴な疑問を持ちました(笑)
「電気さん」には得意不得意がある
稲垣さんは、1965年、高度成長期のまっただ中に、愛知県で生まれました。
バブルの頃に一橋大学を卒業し、憧れの朝日新聞に入社。
記者になって4年目に大阪本社に配属されて社会部デスクに。その後、論説委員となりました。
社内では、名文家として知られていたそうです。
2016年1月、28年勤めた会社を辞めた稲垣さん。
転職するために辞表を出した訳ではなく、理由は肩書から開放されたかったから。
「夫ナシ、子ナシ、加えて無職、50歳(当時)、みたいな。
今、日々生きることが冒険な気がして」
退職金も貯金もあるので、お金に問題があって節電しているのではありません。
仕事は、雑誌や本の原稿依頼があったり、ラジオ番組から出演のオファーがあるそうです。
J-WAVE 「OTHERS」で、DJと軽快にやりとりし、電気について語る稲垣さん。
「電気を絶対認めないとか、否定してるってことではないんですよ、全然。
電気にしかできないことってあるんですね。例えば、灯り。
でも、お湯わかすとかは不得意。ものすごく一生懸命沸かすけれど、たいして沸かない。
電気って、得意なことする時はたいして電気代かからないんですね。
「電気さん」と呼んでる感じなんですけど(笑)」
主婦が、夫の給料から生活費を捻出するために節電する、という感覚とは違い、元記者の視点でエネルギー問題を考え、あえて挑戦しているんですね。
電気のことを「電気さん」と呼んで、人間みたいに得意不得意があるという例えは、とてもわかりやすかったです。
この人、今後バラエティに進出して、マツコ・デラックスみたいな御意見番にならないかな。
そう思うほどトークが面白く、生き方にも筋が通っていて、何より見た目にインパクトがある人です。
『ない』幸せがあったっていいじゃない
お正月以外は足が遠のいていた神奈川の実家を、2年ほど前から週末に訪ねるようになった稲垣さん。
両親はともに80歳に迫ろうとしている年齢。
ささやかな親孝行が毎週できるようになったことも、自由とともに手に入れた幸せの一つでしょうか。
春。あたたかくなると、外の公園でも原稿が書けるように。
桜の見える公園でパソコンを開き、冒険の経過報告とも言える幸福論を綴っていました。以下はその一節です。
退職を機に体調不良を整えようとインドの療養施設に滞在した際、
肩こり、不眠、ストレスによる湿疹など延々と続く私の訴えをウンウンと聞き取った医師が、
最後に尋ねた言葉。
「それであなたは幸せなの?」
虚を突かれ、思わずたじろぐ。
私たちは何かを手に入れて幸せになろうとしている。
モノ。お金。そして健康。
でも手に入らなければ不幸なのか?例えば病人は不幸なのか?
だとすれば私たちは皆、不幸にまみれて一生を終わるのだ。
だって、病と死からは誰も逃れられないもの。
でも本当は病人だって、モノやお金がなくたって幸せになれるはず。
肝心なのは、何かを手に入れることじゃない。
ハッピーになること。
『ある』幸せがあるなら『ない』幸せがあったっていいじゃない。
そう考えると意外なほどに心は浮き立つ。人生は自由だ。
そしてどこまでも開かれている。
アー・ユー・ハッピー?
電気がない生活と聞いて真っ先に想像したのは、スマホもパソコンもテレビもない、ということでした。
今、生活の大部分をこういうものに頼りっきりになっているので、ないのは考えられないなと。
ただ、稲垣さんも原稿を書くにはパソコンを使っていましたし、現代で生きていく上で最低限の電気はちゃんと使っているんですね。
世の中には『ない』幸せもある。
毎日便利なものに囲まれて、それが当たり前になっているけれど、本当に必要なものは何か、ちょっと考えてみなくちゃな、と思った回でした。